寒中見舞いには書き方のマナーがあります。
寒中見舞いも含めた季節のあいさつ状は、「。」や「、」の句読点を打たないのが良いとされています。最近ではそのような慣例も気にされなくなってきましたが、目上の方などに送る際は気を付けたほうがよいでしょう。
寒中見舞いの基本的な構成やマナーをまとめてご紹介します。
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寒中見舞いを書く上での注意点
寒中見舞いでの主なマナーは次のようなものです。
- 頭語(拝啓など)、結語(敬具など)は必要なし
- 年賀はがきを使わない
- 「年賀」は「年始」と表記、おめでとうございます・寿など賀詞は避ける
- 干支など年賀のイラストは使わない
- 「。」や「、」の句読点を打たない
(句読点の代わりに1マスあけると見やすくなります。)
喪中の人へ送る時のマナー・送り方
現在の風潮としては、喪中の方へは年賀状を送らず、寒中見舞いで年始のあいさつをするのが多くなってきています。また、喪中と知らずに年賀状を出してしまった方へ、お悔やみとおわびを兼ねて寒中見舞いを送ることもできます。
喪中見舞いの代わりとして寒中見舞いを出す場合に気をつけないといけない点は、新年の挨拶と取られるような文章を書かないという点があります。また、官製はがきを使う場合、喪中を迎えられた方や家にお送りしても問題の無い山桜やヤマユリ、胡蝶蘭などの絵柄を選ぶようにしましょう。私製はがきでも縁起物や干支が描かれたデザインは避けます。私製はがきを使用する際は切手が必要になりますが、切手に関しては一般的なもので問題ないです。弔事用の花文様切手や記念切手は控えましょう。
また、季節の挨拶状の代わりとして送る場合には、写真入りの寒中見舞いはがきを送っても差し支えありませんが、相手が喪中の場合には写真は入れない方が良いでしょう。喪中の方の中には、まだ悲しみが癒えていない方もいらっしゃいます。楽しそうな家族写真などを見ると悲しみを増幅させてしまう可能性があります。
例文(相手が喪中の場合)
寒中お見舞い申し上げます
○○様ご逝去のこと 存じ上げなかったとはいえ 新年のご挨拶を申し上げ失礼いたしました
遅ればせながら 謹んで哀悼の意を表します
寒い日が続きますが 皆様お身体を大切にお過ごしください
令和○○年○月
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪と伺い 年始のごあいさつは差し控えさせていただきました
ご家族の皆様はお寂しくご越年のこととお察し申しあげます
謹んでご冥福をお祈り申し上げます
時節柄 どうぞ御身大切にお過ごしください
令和○○年○月
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中とは存じあげず お年始状を差し上げ 大変失礼いたしました
さぞかし皆様お寂しくお過ごしのこととお察しいたします
遅ればせながら 謹んで哀悼の意を表します
寒い日が続きますが 皆様お身体を大切にお過ごしください
令和○○年○月
例文(自分が喪中の場合)
寒中お伺い申し上げます
向寒の折 皆様にはお変わりございませんか
喪中のため 年頭のご挨拶を遠慮させていただきました
本年も何卒よろしくご厚誼のほどお願い申し上げます
令和○○年○月
寒中お見舞い申し上げます
このたびは年頭のご挨拶ありがとうございました
昨年○月○日に○○(続柄・故人の名前)が他界し、服喪中のため年頭のご挨拶を控えさせていただきました
ご通知が遅れましたこと どうぞお許しください
皆様ご自愛くださいますようお祈り申し上げます
令和○○年○月
寒中お見舞い申し上げます
新年早々 お年賀ありがたく頂戴しまし。
厳しい寒さ続きの毎日ではございますが 皆様ご健勝でお過ごしとのご様子 なによりとお慶び申し上げます
私方 喪に服しておりますため 年末年始のご挨拶は失礼させていただきました
服喪中のお知らせが行き届きませんでしたこと 深くお詫び申し上げます
本年も皆様にとりまして良いお年でありますよう 心よりお祈りいたしております
令和○○年○月
例文(故人宛に年賀状が届いた場合)
寒中お見舞い申し上げます
年頭のご挨拶を頂きありがとうございました
「続柄+故人の名前」は昨年○月に永眠いたしました
旧年中にお知らせ申し上げるべきものですが ご通知が遅れましたこと深くお詫び申し上げます
故人が生前に賜りましたご厚情に深謝申し上げます
この厳寒の折柄 皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
令和○○年○月
寒中お見舞い申し上げます
年頭のご挨拶をいただきありがとうございました
続柄○○は昨年○○月に他界いたしました
旧年中にお知らせ申し上げるべきものを 年を越してしまいました非礼をお許しください
父が生前に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに 皆様の一層のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
令和○○年○月
寒中見舞いの基本的な構成
寒中お見舞い申し上げます 寒中謹んでお見舞い申し上げます(定型文)
一番大きく書きましょう。
時候のあいさつ
厳寒の侯 いかがお過ごしでしょうか
毎日寒い日が続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
寒さ厳しき折 皆様いかがお過ごしでしょうか
など、寒中見舞いは寒い時期に相手を気遣うためのものなので、季節を思わせる言葉を入れるといいでしょう。
自身の近況を伝える言葉
年賀状を送りそびれていた場合はお詫びの一言を。
新春のご祝詞を頂きながらご挨拶が遅れてしまいました 誠に申し訳ございません
私どもも無事越年いたしました
おかげさまで私どもは無事に過ごしておりますのでご安心ください
など、自分らしいメッセージを親しみを込めて書くといいでしょう。
結びの挨拶
皆様もどうかご自愛くださいませ
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします
どうぞ風邪など召されませぬようお体を大切にお過ごしください
など、最後は相手を気遣う言葉や、相手の幸福を願う言葉で締めます。
日付
あると丁寧な印象になりますが、なくてもマナー違反にはなりません。
印刷済の寒中見舞いはがきなら構成はおまかせ
あらかじめ印刷してあるはがきを使用する場合、マナーを抑えた構成になっていますので、手軽に寒中見舞いが作成できます。
印刷済みの寒中見舞いを利用する場合は、手書きで一筆添えるといいでしょう。手書きで一文あるだけで温かみが増します。
ぬくもりある寒中見舞い
椿の花をはじめ、雪山や冬木立ち、雪だるま、雪うさぎやかまくら、毛糸の手袋やマフラーなど、冬の風物詩をとりいれたイラストを用いると寂しくならず、また季節も感じられます。ただし、華美、派手にはならないように気をつけましょう。
また、親しい友人などに送る際は、近況を盛り込むと次回会ったときの話題にもなります。少しくだけた書き方、内容でも大丈夫でしょう。
メールが主流となってきたはいますが、寒中見舞いは特に理由がなくても季節の挨拶としても使える挨拶状です。ちょっとしたときに仲のよいお友達に送ってみるのもいいのではないでしょうか。